植生図は完備されてきている 2
一般に緑の現状を見る場合には、かつてその土地がどのような自然植生に被われていたかという原植生ないし潜在自然植生を知る必要があります。
そのことは同時に、土地の気候・地形・地質、さらにそこに生息している動物・土壌生物も含めた総合的な生物集団の本来の配分を知る手がかりにもなるのです。
また、現存植生図を読むことによって、自然植生が長い間の人間活動によってどのように変えられているかの具体的な姿を、面的にもっとも分りやすい植物群落の配分図から把握することができます。
日本列島の緑の現状をみると、その土地本来の自然植生の配分から、現在、驚くほど大きく変えられているのがわかります。
その変えられている程度は、私たちが予測していた以上にはるかに大きいです。
そのことは現状診断図としての「現存植生図」と、その土地本来の自然の植物群落の生育能力を図化した「潜在自然植生図」とを比較してみるときわめてよくわかります。
東京・横浜・大阪・京都・神戸などの首都圏・近畿圏、あるいは名古屋などの中部圏はもとより、もっとも自然が残されていると考えられる四国・九州また屋久島においても・・・
私たちが調査した結果では、現存植生図はその土地本来の自然環境の総和が形成しうるはずの潜在自然植生図からきわめて大きく変えられています。