植物は警告する
現存植生図と潜在自然植生図を比較してみて、一体私たちは何をよみとることが出来るでしょうか。
たしかに日本の国土が多層群落の森林で被われていた時には、人間は実にきびしい状態で、生態学的には自然の一員としての生活が行なわれていました。
反面、今日の物質的にも恵まれた生活とはおよそかけはなれた、まさに原始的な生活が続いてきたはずです。
現在の大都市域は逆に、非生物的な材料によって完全にその土地本来の自然植生が失なわれた状態で、人間だけが過集中しています。
・・・したがって、現存植生図・潜在自然植生図、さらにその両方を総合して作成された自然度図との比較からみた時・・・
地方に住んでいる人たちが一度は住んでみたいと思ったかも知れない東京湾、大阪湾、名古屋湾、北九州の洞海湾ぞいは植物砂漠化しているのがわかります。
これら都市域では、植物群落は、さまざまな人間の影響に対応し、その人間の干渉にがまん出来る植物のみが生き残って、各種の代償植生を形成しています。
したがって、私たちは植物群落の配分、植生図という物差しを通して、命の側からの環境の診断が出来るのです。