農業規定の背後にあるもの 2
輸出補助金については例外規定として明示的に認めているばかりでなく、政府による余剰農産物処理までも決議の形で事実上承認しています。
これは形式的にみてもいちじるしく公平性を欠く措置といわねばなりませんが・・・
それ以上に問題なのは、世界農産物市場に対する撹乱的影響が前者に比べて後者の方がずっと大きいという点です。
農産物の輸入数量制限は世界農産物市場の量的拡大を消極的に制限する効果をもつにすぎないのに対して、輸出補助金・余剰農産物輸出は世界農産物の市場メカニズムを直接に歪曲する効果をもっています。
同じく自由貿易の阻害であっても、その影響は政策による直接・間接のダンピング輸出である後者の方がはるかに大きいのです。
事実、私的ダンピングについては、ガットはその第6条においてきびしく制限し、これへの対抗策としてダンピング防止税・相殺関税などを認めています。
それにもかかわらず、農産物の政策的ダンピングを公認するというのは明らかに論理的に大きな矛盾ですが、これもまたガットの「アメリカ中心主義」のあらわれです。
さて、ガット・ラウンドの展開ガットは関税・貿易に関する国際協定であると同時に、これについての国際交渉の場でもあります。