ガット・ラウンドの展開と農業交渉
前者がガットの法的・静態的側面を代表するとすれば、後者はその政治経済的・動態的側面を代表しています。
しかもこの両者は密接不可分に結びついています。
国際経済の実態変化を反映した各種の国際交渉が展開されていくなかで、前者の内容も確定され、変貌を遂げていくのであり、その点ではガットにおける国際交渉の積み重ねとは、同時にガットの自己変革の過程でもあります。
こうしたガットの国際交渉の場としての機能のうち、もっとも有名でかつ重要なものは、一般に「ラウンド」と呼ばれている多数国間の関税・貿易交渉です。
「関税の一般的引下げ交渉は、ガットの活動に一つのエポックを画すものであり、世界の自由貿易体制の維持強化の基本的要素となってきた」
・・・といわれるように、それはガット交渉の輝かしい成功面を示すものです。
こうしたガット・ラウンドは1947年のガット設立時における第1回の一般関税引下げ交渉から、今回のウルグアイ・ラウンドにいたるまで8回におよんでいます。
これら度重なる交渉を通じて世界各国の関税障壁は大幅に引下げられ、1970年代には前世紀中葉の自由貿易段階にも匹敵するような世界的な低関税時代が出現するのです。