ガット・ラウンドの展開と農業交渉 2
多国間交渉を通じて国境障壁を低くし、自由貿易を促進するというガットの理念はほぼ100%近く実現されたようにもみえます。
・・・しかし、以上はあくまでも楯の半面でしかありません。
その裏側では最近のガット・ラウンドは交渉の焦点が関税から関税以外の部面に移行することによって急速に行詰りの様相を濃くしてきています。
ガットの多国間交渉がいわゆる一般的関税交渉から一般的貿易交渉へと移行することによって、争点が複雑化・先鋭化し、容易に妥協点を見出しがたくなってきているのです。
ガット機能の半身不随がささやかれるのも、まさに以上の反映です。
60年代までのガットの歴史が自由貿易理念への着実な接近であったとすれば、70年代以降のそれは逆にそれへの背馳に対する苦闘と挫折の歴史だったといっていいでしょう。
・・・以上の転換の分水嶺をなすのが1964~67年のケネディ・ラウンドでした。